ハーブが喜ぶ土
梅、桃、木蓮、ミモザ、桜、コデマリ・・・
春を告げる花木の開花は、まるでリレーのバトンを繋いでいるようだと感じます。
それらは気候変動にも柔軟で、コロナウィルスとも無縁です。
植物たちは光と気温を察知して、毎年同じ頃、同じ順番で芽を吹き花を咲かせます。
それは、ずっとずっと昔から繰り返されている〝自然の神秘〟であり、〝植物の力強さと儚さ〟に一番心が踊る季節でもあります。
そして三寒四温、少しずつ春めいていく3月に、私の小さなハーブガーデンは、土づくりや種まきが始まります。
ハーブは口にするものなので、農薬はもちろん化成肥料なども使いません。
安心して使えるよう『有機栽培』で育てることを基本としています。
有機栽培のすすめ
化学物質の入った農薬や肥料を使わず、〝有機物〟を施して育てることを『有機栽培』といいます。
有機物とは、土に施して土に還るものです。もとは生きていたものです。
有機肥料には〝堆肥〟といって、よく発酵させた腐葉土・バーク堆肥・牛糞・馬糞や 緑肥、ぼかし肥などがあります。
落ち葉・刈った草、剪定した枝葉、藁や籾殻もそうですし、堆肥以外には 魚粉、油かす、骨粉、グアノ、草木灰などがあります。
有機栽培は、土壌中の落ち葉や動物の糞などの有機物を、小動物(ミミズなど)や微生物が食べて分解し、その分解したものを
植物が栄養として吸収する、という本来の自然生態系に沿った栽培方法です。
ふかふかな土
農薬のまかれていない土には落ち葉や動物の糞を食べる小動物が多く住み、硬い土にトンネルを掘って土の中に空気の通り道を作ります。
それにより微生物の活動も活発になり、空気を含んだ土に散らばった小動物の糞をたくさん食べて有機物の分解が加速されます。
するとその土は『団粒構造』といって
①水はけがよく
②保湿性・通気性のある
③清潔な
④小動物や微生物が住みやすく
⑤植物が栄養分を吸収しやすい
植物が育つのに理想的な〝ふかふかの土〟 になるわけです。
化学農薬の使用はもちろん、化学肥料の多用は土の中の微生物を減らすことになり、その結果、土は弾力性を失い、固くしまった痩せた土になってしまうのです。
微生物にとって有機物はエサです。〝有機物の施された土 ・ 水 ・ 光、自然の営み〟に寄りそって育てられた植物(ハーブや野菜)が、体にも環境にも、そして心にもやさしいことは想像できますよね
ナチュラル志向のハーブ栽培には『有機栽培』が、きっと受け入れやすいのではないでしょうか。
私の土づくり
それではハーブを育てるのに、どんな有機肥料を施したらよいのでしょう。
料理に家庭の味があるように、土作りもその庭、畑にあったブレンドがあると思います。
正解はいろいろだと思いますが、
私は、庭の土には完熟牛糞堆肥をすき込んでハーブを育てています。
野菜用・草花用培養土は、経験上、ハーブにとっては栄養過多なため、病害虫の被害を受けやすく生育も香りもあまりよくありません。
ですからプランター栽培の場合は、培養土に完熟牛糞や腐葉土、赤玉土を混ぜて、栄養分を薄めるるイメージで土作りをしています。
もともとは雑草ですから、基本的には控えめな栄養分で丈夫に育てた方が、香りのいいハーブが育つと実感しています。
牛糞堆肥は穏やかに効いて、臭いがないので使いやすく、値段も40Lで300円~400円とお財布にもやさしいです。
高級牛糞だとかなりのお値段で手が出ませんが、これくらいの値段でもちゃんと完熟のものを選べば問題なく育っています。
鶏糞や豚糞よりも肥料成分が少ないことがかえって都合がよく、有機物を多く含むのでふかふかの土にする土壌改良材としても適しているようですよ。
ハーブの詳しい土作りについては、また次回のブログでご紹介しますね。